Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
私も好んでそこへ行って、聞慣れ、義太夫本も読んで、面白くなって、それを写したのもある。忠臣蔵四段目、二度目の清書、妹背山三段目、杉酒屋、安達原三段目などは、私は写しもし、またいくらか暗記もした。就中、忠臣蔵の八段目の道行の如きは、口調もよく、短いので、今でもやれる、その他も、一段全部は覚束ないが、一部分々々は随分今でも記憶している。十二歳から十三歳へかけての記憶が七十四歳の今日も存しているのである。
京都に住んだその年の末に、徳川家茂公に将軍宣下があったため、酒井雅楽頭が代理として御礼に上京することになったが、酒井の屋敷は手狭なので、堂上方はじめの訪問を受けるには不便とあって、我藩の屋敷を借りたいと申込まれ、承知して私共は上ノ町の或る町家を借りて一時住むことになった。この際屋敷の御殿も一時の建増をした。
町家住居をすると、夜々蕎麦屋が、『うどんエそばエハウ』といって売りに来た。温かく煮た蕎麦へ山葵がかけてあるのを、寒い頃なので家来がまず食べ始めてうまいうまいといい、やがて家族も食べて、毎晩上下こもごもこれを呼んで食べた。この位の事は、祇園通いをする父がもう戒め得なかった。