Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme
犬や猿の芸をするのもあったようです。尤も一々這入ったのではありません。中の見物席は、ただ地面に筵が敷いてあるだけとか聞きました。その裏手は一面の田圃でした。新花屋敷が出来て、いろいろの動物が来たり、菊人形が呼び物になったのは、ずっと後のことです。一廻りしますと仲見世へ出ます。仁王門から広小路まで、小さな店がぎっしりと並んでいます。大方玩具屋ですが、絵草紙屋などもありますし、簪屋も混っています。絵草紙は美しい三枚続きが、割り竹に挿んで掛け並べてありました。西南戦争などの絵もあったかと思います。役者のもあったのは、芝居町が近かったからでしょう。やはり玩具屋なのでしょうか、特別に小さいお座敷の模型、お茶道具、お勝手道具と、何でも小さい物ばかり並べてあるのを、飽きずに眺めたりしました。
小路を這入った処に小料理屋があって、新栗のきんとんがおいしいというので、その時節にはよく立寄りました。お留守をした人におみやげにするのです。五重塔のある側に綺麗なお汁粉屋があって、そこのお雑煮のお澄ましが品のいい味だというので、お母様は御贔屓でした。お兄さんは、お餅が小さくて腹に張らないから嫌だといわれたとて、皆笑いました。