Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme
私がこんな恰幅をしているものですから、雲岳女史などいって親んでくれます」などといって、はつは嬉しそうにしていました。雲岳女史は村井弦斎が書いた新聞小説の中に出て来る大兵な女傑です。
客のいない日に、主人が慰みに大弓を引きますと、面白いように当ります。目は見えなくても長年の勘で当るのです。不断は前屈みになっていますのに、弓を取って肘を張った姿はしゃんとして、全く見違えるようです。
はつはそんな話をして、「長々お邪魔をしました」といって帰りかけます。「田舎では」と私が聞きましたら、「それをお話するのでした」と、また腰を据えて、実家の父の病気見舞に行った話をしました。看護婦の姿で、駅から車に乗って、遠廻りでも町を通って、染物屋の前を過ぎましたら、隣の家で驚いていたそうで、父も大変喜んでくれたというのです。
「また伺います。」そういって立上って、また思出したように、「ちか子さんはお元気でしょうか」と聞きます。
ちか子は産婆の方の免状も取って、アメリカへ渡って都合よくしているのでした。その話をしますと、「結構ですね。若いに似合わずしっかりした人でしたから。おついでに宜しくおっしゃって下さいまし」