Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まど

鷹野つぎ――人と文学

鷹野 つぎ

Lesen Sie 鷹野つぎ――人と文学 (まど) von 鷹野 つぎ (たかのつぎ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.840 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

み空の彼方、かしこには、

花かぐわしく咲きて

いのちの木の実なるところ……。

それを聴く私の気分は苦しいまでに冴え、小谷さんの手をかえ品をかえる伝道の熱心さにも心打たれた。

既に附添われた最初のころから私は、かの女が模範附添婦として院長にも認められて居り、家族に病人ができれば小谷に頼もうと、云われるほどの信任があることも知っていた。それほどだから病院中の篤信者であり、看護にも誠実家として屈指の一人であるのは云うまでもなかった。床上を天地としていた私は、自分ながら面のあげられないような行届いた世話もうけ、心のなかでは跼いて詑びたいことも度々であった。それだのにどのような礼言よりも、かの女の望む、かの女のよろこび語る声が、私にたやすく迎えられないのが私自身にもふしぎであった。

私の症状もその後大体におちついてくるようで、夜と共に眠り、朝は一定の時間に眼覚める快い日も得られるようになった。眠りの時が少しでも深く安らかになれば、回復に向うそれがひとつの徴であった。やまいの面白くない時には真夜の眠りの時に、自分の呻きを自分で聴き、体の狂いを噛みわけ、血肉を涸らす秒刻を知るものであった。