Japanische Klassiker mit Furigana
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さとう
麻布襍記 ――附・自選荷風百句
永井 荷風
Lesen Sie 麻布襍記 ――附・自選荷風百句 (さとう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.256 Zeichen · 77 Bildschirme
雪駄直しの皮臭きは昔の事にして今は兵隊の皮帯電車の車掌のカバン臭気共に近づくべからず。
諺に味噌の味噌臭きは真の味噌にあらず。鞣皮も上等のものには臭気なし。されば物にして本来の臭気を脱せざるものは悉く未だ到らざるものとなして可なるが如し。半可通の通がるは近頃の芸人の頻に素人めかしく肩をいからすと同じく倶に鼻持ちのならぬものなり。文章は絢爛を経て平淡に入り始めて誦すべく芸者は薄化粧の年増に留を刺すは申すまでもなし。随園詩を論じて大巧の朴と濃後の淡とを以ってよしとなす。真に金言なり。
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雑誌記者屡来って女子拒婚問題の事を問う。余初め拒婚の字義を解せず、為に婦人雑誌を購読して漸くその意を審かにするを得たり。良家の女相約して男子の花柳病を患うるものに嫁せざる事を名けて拒婚同盟となすという。愚も亦甚しというべし。悪疾あるものに嫁する事の理にあらざるは論を俟たず。何ぞ花柳病のみに限らんや。わかり切った事に今更らしく理窟をつけ論文を書き演舌をなす天下泰平の遊戯冗談もここに至って窮状寧憐れまずんばあらず。
拒婚の字義を按ずるに拒は強請せられて後これを防ぐの意。