Japanische Klassiker mit Furigana
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たそがれ
黄昏
宮本 百合子
Lesen Sie 黄昏 (たそがれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.500 Zeichen · 29 Bildschirme
おくめは、いやでも、何か、のぶ子のために口添えをしてやらずにはいられない心持になった。
「それはそうだろうとも。人の出入りだけでも容易なものじゃないから――のぶだって、小さい時から相当に苦労をしているのだもの、まさかそれを知らない馬鹿ではあるまい。――真個(ほんと)に、親甲斐なしで……厄介ばかりかけるね」
ふさ子は、黙って、頭を傾け、眉をよせて簪(かんざし)で髷の根をかいた。
「阿母さんだって、どうにかなりそうなものだのにねえ」
やがて、ふさ子は、重苦しい四辺(あたり)の雰囲気の裡で、投げ捨てるように呟いた。
「この間、お順さんが来たときにも、そう云っていましたよ。相当な人さえ仲に立てれば、たとい法律ではどう定(きま)ろうと、阿母さんの暮し位のことは、六蔵さんがどうにでもする積りなんだって」
前後の続きから、おくめには、その言葉がどうしても、家の血統とか相続権とか、喧しいことは云わないで、貰えるものは貰って、のぶ子の学資でも助けたらよいではないか、という風にほかとれなかった。
訴訟を起したり、弁護士を雇ったりして、柄にない騒ぎをしたことからが、馬鹿馬鹿しいという口吻(くちぶり)を聞くと、おくめは、口惜しさで、かっとするようになった。