Japanische Klassiker mit Furigana
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くろふねぜんご
黒船前後・志士と経済他十六篇
服部 之総
Lesen Sie 黒船前後・志士と経済他十六篇 (くろふねぜんご) von 服部 之総 (はっとりしそう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.901 Zeichen · 247 Bildschirme
黒船前後
一
一
鉄で船を造ることは、技術的には、ヘンリー・コートが鉄板製造法を発明したことで(十八世紀末)可能になった。だがその後も長いあいだ、水に沈む代物で船が造れるもんかという意見が支配していた。いまだからこそ一口噺にでもありそうな気がするのだが、十九世紀十年代のはなしとして、英国王室造船所の技師長が、有名な造船業者スコット・ラッセルにむけて、
「鉄造船のはなしは聞きたくもない、だいいち、自然に反している!」
といった。
八トンほどの河船で、船名をトライアルとつけられた最初の鉄造船(一七八七年)が英国でできてから、二番目の鉄造船ができるまでに二十年も間があった。ナポレオン戦争も済んで貿易と船舶業が恐しい繁栄時代にはいって、何よりも船材(英国産樫材)が暴騰した。利潤のためには鉄の意志をもつ船舶業者は本気で鉄造船の試図をやりはじめた。
自然に反するどころではなかった。鉄造船は同じ図体の木造船にくらべてかえって総重量は軽いことがわかった。
当時の技術をもってして鉄造船の場合船体および艤装を合わせて重量は排水トン数の三十パーセントで済んだが、木造船の場合は四十パーセントだった。