Japanische Klassiker mit Furigana
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くろふねぜんご
黒船前後・志士と経済他十六篇
服部 之総
Lesen Sie 黒船前後・志士と経済他十六篇 (くろふねぜんご) von 服部 之総 (はっとりしそう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.901 Zeichen · 247 Bildschirme
没落する帆船業者の悲鳴的利害をその基礎にもっていたからであった。
一見補助汽走船はうまくいくように思える。風のあるかぎり帆を掲げて、一文も使わず時にいいかげんな汽船以上の速力もでる。天候一変すればエンジンをかけて稼ぐから、……だから折衷主義を「日和見主義」というのである……ほぼ間違いなく予定日数を約束することもできて、汽船より安い賃銀で、汽船のもつ最大の利益――パンクチュアリティ――を大方の顧客に提供することができる。
だが、しょせんそれは不可能であった。天候一変の節、存分役に立つだけ強力なエンジンを装備すれば、エンジンやボイラーの容積は大きく要る。機関部員も一人二人では済まなくなる。結局エンジンが遊んでいる日も得にはならない。さりとて、得になる程度の小規模な馬力では、いざ荒天となって、何の役にもたたぬ。
この矛盾を解決してくれるものはないか? 詩にみちた、かぐわしい、帆船時代をとり戻すために? そして貧血した帆船業者を、昔の利潤にありつかせるために?
たまたま二十世紀の前夜にあたって、ディーゼル博士が内燃機関を発明した。エンジンも、燃料も、きわめてわずかな容積で済み、熟練した技師が一人か二人あれば沢山、さあ問題は解決した、というので、一九一〇年頃から、ディーゼル・エンジンを補助機関に備えつけた日和見帆船