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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろふねぜんご

黒船前後・志士と経済他十六篇

服部 之総

Lesen Sie 黒船前後・志士と経済他十六篇 (くろふねぜんご) von 服部 之総 (はっとりしそう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.901 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

洛西の山口薫次郎から旅費を貰い、評判の惣髪を奴びんに剃り落して商人に化け、備中連島の三宅定太郎を頼って、さしづめ別宅の鉄物店に番頭と称して居ることになったがその後一年ばかり、本人手記によると、「商賈に変じ、陶朱公たらんと欲し、屡々利貨を失ふ」。雲浜にくらべるとはるかに単純な、純情家だったから、案外本気で陶朱公たらんと欲したらしい。主観はどうでも、結果として国臣も雲浜同様、諸地方産商業家をより広い組織とより激しい政治戦線に、やがて駆り立てることとなった。

備中連島は旗本山崎家の知行所五千石の一部で、三宅定太郎はこの地方きっての旧家、児島高徳の後裔と称し、六十余町歩の田地を持ち、山崎家の民政顧問格におり、これら地主的資格の他面では、同時にさまざまの産商業を経営して新興資本家としての性質を具えた。雲浜の長州貿易にも参画して三宅はこの地方の綿を長州に輸出し、数多の取引を重ねたがこれは失敗に帰した。そこで国臣が雲浜張りで立案した新規のプランは、長州竹崎の白石兄弟と三宅を結びつけて、改めて薩長備中三国の間に特殊な貿易網をつくりあげることだった。

竹崎(今下関市内)の白石家は大庄屋を勤める旧家で豪商だが、一万石の支藩清末領に属したから宗藩政庁を相手とする雲浜貿易とは直接関係がなかった。