Japanische Klassiker mit Furigana
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どんてん
21世紀の日本人へ 永井荷風
永井 荷風
Lesen Sie 21世紀の日本人へ 永井荷風 (どんてん) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.356 Zeichen · 51 Bildschirme
しかし日は一日一日と過ぎて行って、ある日驟雨が晴れそこなったまま、夜になっても降りつづくような事でもあると、今まで逞しく立ちそびえていた向日葵の下葉が、たちまち黄ばみ、いかにも重そうなその花が俯向いてしまったまま、起き直ろうともしない。糸瓜や南瓜の舒び放題に舒びた蔓の先に咲く花が、一ツ一ツに小さくなり、その数もめっきり少くなるのが目につきはじめる。
それと共に、一雨過ぎた後、霽れわたる空の青さは昨日とは全くちがって、濃く深く澄みわたり、時には大空をなかば蔽いかくすほどな雲の一団が、風のない日にも折重って移動して行くのを見るのであろう。それに伴い玉蜀黍の茂った葉の先やら、熟したその実を包む髯が絶えず動き戦いでいて、大きな蜻蜒がそれにとまるかと見ればとまりかねて、飛んで行ったり飛んできたりしている。一時夏のさかりには影をかくした蝶が再びひらひらととびめぐる。蟷螂が母指ほどの大きさになり、人の跫音をききつけ、逃るどころか、かえって刃向うような姿勢を取るのも、この時節である。
夏の中毎夜夕涼に出あるいていた習慣がついているので、この時節になっても、夕飯をすますときまって外へ出る。