Japanische Klassiker mit Furigana
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エスみさきせいようふじんこうさつじけん
S岬西洋婦人絞殺事件
夢野 久作
Lesen Sie S岬西洋婦人絞殺事件 (エスみさきせいようふじんこうさつじけん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.951 Zeichen · 52 Bildschirme
ロスコー氏の自殺を知って、よほど驚いたらしく、顔色を見る見る青くして、顔面筋肉をビクビクと痙攣さした。シッカリ閉じた両眼から涙をハラハラと流してうなだれると、前よりも一層固く口を閉じてしまった。その態度を見ると犬田博士は、なおも一膝すすめた。
「なあ東作爺さん。ロスコー家は先代のお父さんからして非道い刺青キチガイであったが、今の若いロスコー君も、先代に一層輪をかけた刺青キチガイだったのだろう。それがいつの間にか奥さんのマリイさんに伝染してしまったが、お前は一切そんな事をロスコー夫婦に口止めされていたんだろう。お前はちょうど日露戦争頃に先代のロスコーさんと識合いになって、それ以来ずっと、ロスコー家に奉職していたんじゃないか。その先代にも、お前はやはり刺青の事を口止めされていたので、お前はロスコー家に居る限り、娘夫婦の幸福のために、ロスコー家の秘密を喋舌らない事にきめていたんじゃないか。まだまだ詳しい事がスッカリ調べが附いているんだから、隠したって無駄だよ。……お爺さん……」
東作老人はここまで云って来た博士の言葉のうちに太い溜息を一つした。司法主任から啣え直さしてもらった朝日を吸い吸い嗄れた、響の強い声でギスギスと話しだした。