Japanische Klassiker mit Furigana
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エスみさきせいようふじんこうさつじけん
S岬西洋婦人絞殺事件
夢野 久作
Lesen Sie S岬西洋婦人絞殺事件 (エスみさきせいようふじんこうさつじけん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.951 Zeichen · 52 Bildschirme
この部屋に酔って寝ている東作を麻酔させておいて、軒下の漆喰伝いに足袋でも穿いて玄関へまわれば、足音も聞えず、足跡も残りませぬ。万一過ってマリイ夫人に騒がれるような事があってもタカが女一人……という犯人の心算ではなかったでしょうか。もっともこれはまだ、僕の臆測の範囲を出ていない話ですが……」
犬田博士の話の切目を待兼ねていた司法主任が、多少の興奮気味に佩剣のを引寄せた。
「……そうすると……先生のその臆測では……その犯人は麻酔剤を使用し、万能鍵を持っている奴ですから……相当の奴ですね」
犬田博士は軽く手を振って笑った。
「ハハハ。イヤ。まだ部屋の中を見ないのですから結論を附けるには早過ぎます。目下のところ、確定しているのは東作が犯人でないことと、犯人らしい奴が麻酔薬の使用に狃れている事と、この二つだけです。しかしソンナ犯人が、この方面へ立廻わった形跡があるのですか」
司法主任はちょっと返事を躊躇して署長の顔を見た。署長は鷹揚にうなずいた。
「フウム。彼奴とするとチット立廻わり方が早過ぎるようじゃがなあ。この家の周囲や、出入りの模様を研究するだけでも一週間ぐらいかかる筈だが……彼奴だとすると……」