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Japanische Klassiker mit Furigana

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あとがき(『みやもとゆりこせんしゅ』うだいにかん)

あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)

宮本 百合子

Lesen Sie あとがき(『宮本百合子選集』第二巻) (あとがき(『みやもとゆりこせんしゅ』うだいにかん)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.466 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

わたしは、小樽新聞の小説のことを思い出した。自分の生活や心の内の風浪とかかわりのないルスタムの物語ならかえって書けそうに思えて来た。その気持はだんだんはっきりして来て、やがて、どうしても勇気を出してこの物語は書き終せなければならないと決心するようになった。手に入るだけの材料からノートをつくって、それをもってその夏福井県の田舎の村へ行った。わたしが一緒に暮していたひとの故郷がその村であった。農家にふさわしくない金ぴかの大仏壇が納められていた。七十歳だった老人は白髯をしごきながら炉ばたで三人の息子と気むずかしく家事上の話をして、大きい音をたてて煙管をはたき、せきばらいしながら仏壇の前へ来ると、そこに畳んである肩衣(かたぎぬ)をちょいとはおって、南無、南無、南無と仏壇をおがんだ。兄の嫁にあたるひとは、おはぐろをつけていた。無口なおとなしい人で、いつもはだしで内井戸のある石じきの台所で働いたり、畑で働いたりしていた。

そういう家の屋根裏が物置きになっていた。板じきの真中に四畳たたみが置いてある。わたしは、そこへ小机をおいて、ルスタムの物語を書きはじめた。