Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あらしのまえのきととりのかいわ

あらしの前の木と鳥の会話

小川 未明

Lesen Sie あらしの前の木と鳥の会話 (あらしのまえのきととりのかいわ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.335 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

子供は、カフェーをのぞきました。ここなら唄をうたったら、お銭をくれるであろうと思ったからです。円いテーブルが幾つもおいてありました。その一つのテーブルに、男が、酒に酔っていい気持ちでいました。対い合って腰をかけている、白粉を塗った女も、すこしは酔っていました。テーブルの上には、ビールのびんが、港の船のほばしらのように並んでいます。男は、ガブ、ガブ、みんなそれを飲んだものと思われました。

女の声で、なにかいったようですが、それは子供の耳に、よく入りませんでした。それよりも、子供は、二人が、酒を飲んでいる、すぐそばに、かやの若木が、鉢に植わって、しかもその根が、真っ白に乾いているのを見ました。

ビールを、ガブ、ガブ、飲むかわりに、一杯の水を、かやの根もとにやればいいのにと、子供は、思ったのです。

「この木に、水をやらんと枯れてしまうよ。」と、子供はいいました。

すると、酒に酔っている男は、怒りました。

「なに、いらんことをいうのだ。さっさといってしまえ!」といって、小さなコップに残っていた、ウイスキーを子供の顔に、かけました。子供は、目から、火が出たかと思いました。