Japanische Klassiker mit Furigana
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いさましいはなし
いさましい話
山本 周五郎
Lesen Sie いさましい話 (いさましいはなし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.835 Zeichen · 73 Bildschirme
顔色も悪いし頬のあたりがこけて、充血した眼がおちくぼんでいた。
刀を受取って、いっしょに居間へ来ると、松尾は崩れるように彼の胸へ縫りつきそのまま激しく嗚咽した。
「心配したんだね、済まなかった」
「――あなた」
「もういいんだ、話は聞いたのだろう」
「はい、――母がまいりまして」
玄一郎は妻の肩を抱いた。
「家で七日の謹慎だ、悠くり休めるよ」
風呂から出ると酒の支度がしてあった。良人を見て安心したのだろう。松尾の頬にいきいきと血がのぼり、身ぶりやまなざしにも、無意識のなまめいたしながあらわれた。
「こんどの事でなにか聞かなかったか」
「詳しいことは存じませんけれど、母の話ですとお作事奉行の津田さまがなすったということでございます」
「――津田、……作事奉行の――」
玄一郎の持っている盃から酒がこぼれた。彼はそれには気づかず、大きくみひらいた眼で妻を見た。
「――まさか、まさかあの人が」
「ほかにも御家老の益山さまの甥に当る方や、三次とか上原とか、そのほか合わせて五人も、若い方たちが共謀なすったとうかがいました」
「――信じかねる、どう考えたって」
「でも津田さまはすっかり自白をなすったそうですわ、すべての指図をし、御自分が奉行所の御判をお捺しになったのですって、母から聞いたのはそれだけですけれど、――浪花屋とか申す商人ともつきあわ