Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
しかもブルジョア政治は腐敗をきわめていた。疑獄事件が続出し、政党は党利をはかることに忙しく、ただただ政争にあけくれている。選挙と言えば、財閥からの献金を公認候補に八千円の五千円のと軍資金に分配して、買収が公然と行われ、代議士はもはや国民の代表ではなく財閥の代弁者にすぎない。しかも当選した代議士はその日から利権漁りという始末で、こうした議会政治に民衆はあいそをつかしていた。革命を望む声が――声にならない声が、巷にみちていた。
その年の十月に、陸軍の現役将校が集まって、桜会という団体をつくった。表面は軍人の社交クラブということになっていたが、実は一種の革命団体である。その第一回の会合が九段の富士見軒で行われたことを俺は北槻中尉から聞いた。
「現状はもはや黙視するに忍びない……」
北槻中尉は隊付将校に特有の保革油の臭いを、俺の鼻にツンツン臭わせながら、
「軍人が蹶起していよいよ国の建て直しをやろうというのです」
俺は顔をしかめた。保革油の臭いが俺は嫌いなのだ。だが軍人というのは総じてこの臭いがする。俺がその臭いに顔をしかめたのは、つまり軍人というものに顔をしかめたことなのかもしれぬ。