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Japanische Klassiker mit Furigana

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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme

Aozora Bunko

いやな眼つきだ。

「何か用かい」

「いえ」

と番頭は言ったが、俺にいやな眼をそそいでいるのは番頭だけじゃなかった。其れ者上りと思われる、それもこの植民地のユキダルマ(枕芸者)上りと思われるここのおかみが帳場から、坐ったまま背のびして、白粉やけした顔におびえた表情を浮べて俺を見つめている。その背後には、飯たき婆みたいなのまでが首だけ出して、それこそこわいもの見たさのような眼つきである。

電報を見たな?――それだけにしては異様すぎる。ほかに何かあったな。家中の者がまるで総出で俺に怪訝の視線の一斉射撃をあびせかけている。

波子ひとり姿が見えない。どうかしたかな。血みどろの猫が俺の脳裡に浮ぶ。

波子はどこへ行った? 聞こうとして俺はしかし咳払いをして、俺のいまあがった玄関に、眼を走らせた。俺の部屋に、ある種の来客がこっそり待っていて、それが宿の者を震えあがらせているのかもしれぬ。だが、それらしい靴は見あたらない。下駄箱に隠したのか。

「誰か、お客が……」

俺をとらえに来ているのではないか。

「いいえ、別に……」

と番頭はもみ手をした。

被害妄想か。俺は二階の部屋へ行くため、とんとんと階段をのぼった。