Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
それに波子も一緒だったから、別の上等なコハイ(旅館)にはいった。そしてすぐ俺がひとりで慷堂を訪れると、
「この馬鹿者!」
と頭からやられた。ひとりの尾垣を殺したところでなんになる。慷堂から俺はどやしつけられた。北槻中尉にもその軽率を重々たしなめておいたと慷堂は言った。
帰京命令はしかし、それだけのためではなかった。不発に終った三月事件には、民間側から小川秋明とその一派が参加したのだが、今度はその小川派と仲のよくない南一光も加わって、だから斎田慷堂も参画して、新たな計画が立てられていた。そのために慷堂は俺を呼びかえしたのでもあった。これが世に言う十月事件である。
「砂馬も近く帰ってくる」
大分苦労したようだと慷堂は言ったが、その顔は妙に暗かった。
その夜、俺は慷堂の家を出ると、その足で吉原へ赴いた。若紫に会いに行ったのだが、すでにもうやめたという。俺のピストルを見て、きもを潰したのか。
「畳屋にひかされたのかい」
その問いに、やり手婆あは、さあどうでしょうと言葉を濁した。
「誰か呼んでくれ」
「はいはい。いい子を出しますから、可愛がってやって下さいな」
俺はここで、若紫がいないからと言って、このまま帰ったのでは男がすたる、そういう意地で、別のおいらんを呼んだのではなく、宿屋で俺の帰りを待っている波子と、東京での初めて