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Japanische Klassiker mit Furigana

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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme

Aozora Bunko

政権奪取を目的とするクーデターは、支配階級の上層部をやっつければ、それですむが、俺たちは大衆蜂起が必要である。蹶起軍はおそらくその鎮圧にのり出すだろうが、それに兵力を分散させることが、俺たちのつけ目だった。そのすきに乗じて、俺たちは俺たちの革命を遂行せねばならぬ。

丸万と俺は夜の市内を、高台から眺めおろしていた。点々と、家の窓には小さな灯がともっている。遠くの灯は、何か俺たちにささやくみたいにまたたいている。プチ・ブルたちのささやかな幸福が、ひっそりとまたたいている。

この街が一朝にして修羅の巷と化すのだ。革命のとばっちりを受ける市民は気の毒だが、

(安逸を貪ってやがったのだから……)

同情することはない。俺は俺にささやきかける灯に向って、こうつぶやいた。ほてった頬に、つめたい夜風が快い。

安逸を俺は憎んでいた。安らかな幸福を俺は、ねたんでいたのかもしれぬ。

しかし、安らかなこの夜の街には、波子が――波子も住んでいる。つつましい光りを放っている夜の灯のなかに、波子も生きている。けなげに、つつましく生きている波子、あの波子を俺は憎んでいいのか。俺はこのとき、波子を愛している俺をそこに見出した。