Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
その時間の経過が俺に、あの二度目の火花は外の何か強い光が車のなかにさしこんで、バック・ミラーにきらりと反射したのだと気づかせた。つまらん現象をこっちが異常に取ったのにすぎない。そんな自分を俺がさげすんでいると、
「あたしも若いころは綺麗だったんだけど」
オカマが、ふと――奴もまた自分をさげすむように言った。ひげの剃りあとが、焼酎屋では青々としていたのが急に、まるでひげが急に生えたみたいに黒っぽく見えた。
「それで、商売替えしたのかい」
何気なく俺が言うと、
「あんた、あたしのことを知ってるの?」
すかさず俺は、
「さあ、なんて言ったらいいかねえ」
「いいのよ」
オカマは身を離して、
「今だって可愛がってくれる人があるんだから……」
「俺の知ってる奴か」
「実のある人……ずっと、あたしを愛してくれてるわ」
「アビルのことか」
「アビル……?」
車は隅田川に近い川岸と覚しいところに出て、
「ストップ」
とオカマが言った。立ち並ぶ倉庫の、灰色の壁面を、裸の電球がさむざむと照らし出していて、ひと気がない。
車を降りた俺たちは倉庫の間から岸に出た。暗い運河に舟がいっぱい、風を避けてお互いに身をすりよせるようにして舫っていた。