Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
アビルのすすめる北海道への脱出が俺には、俺自身からの脱出を意味するものだったから、俺は喜んで封筒を受け取って、
「縁もゆかりもない俺に、なんだって、こう親切にしてくれるんだ」
「加柴さん」
とアビルは俺の名前を言って、
「俺も一時はアナーキストだったのだ。田舎のアナーキストだが、スチルナーにすっかり傾倒したことのある人間だ。だから、あんたのことは知ってるんだ。現在のあんたのことは知らないが、テロリスト時代のあんたの勇気、あんたの情熱をかねて俺は尊敬していた。せめて、あんたにこのくらいのことはしたい……」
俺は猛烈な恥ずかしさを覚えた。不当な辱しめを受けたかのようでもあった。不当に親切にされることは、たしかに恥ずかしく屈辱的なことだ。
それをアビルは見抜いた声で、
「俺は俺で、あんたにこう聞きたい。なぜあんたは特にこの俺を選んだのだ。あんたが俺に、なぜ親切にするのかと言うんなら、俺だってあんたに、なぜ俺を見込んで、ここへ来てくれたのかと言いたい。それが俺には嬉しく、それを俺はありがたく思っている。あのカリムシで会えたことは不思議な奇縁だ」
俺は黙ってうなずいていた。