Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
この野中は親戚から紹介された男だが、帳場を手伝わせることにしたと、最初デカにそう通してくれたことがよかった。女房持ちなのもたしかに俺を、疑惑の眼から救ってくれるのに大いに役立った。
矢萩の一味が俺を仲間に入れようとした、あの船の出来事、あれもヤミからヤミへ葬られたようだ。ばれたら、向うもあぶないから、ばれないようにはしてあったのだろう。たとえばれても、あの連中のことだから、平気の平左かもしれないが、死体にはしっかり重石をつけて、沖から投げこんだ。あれは一体、何者なのか、皆目俺には分らないが、およその見当はついていた。一味の裏切り者の、あれは極秘の私刑だったのではないか。そうとなれば、ヤミからヤミもおかしくはない。と言っても、これは推定にすぎないのだが……。
確実なことはただひとつ、俺がこの俺とは何の関係もないひとりの男を殺したということである。
その二 雪中放牧
祭がすむと、街は濃霧に包まれた。ボーボーという汽笛の音がそのガスの奥から聞えてくる。沖へ出て行く船の汽笛だ。それは何か俺に呼びかけているような気がする。おてき(お前)は、そこで、そんなとこに、くすぶってよオ、なにしてんだ。