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Japanische Klassiker mit Furigana

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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme

Aozora Bunko

丸万はそんなふうに言って、

「かおるさんが四郎さんの奥さんとは知らなかった」

「そうか。何しろ俺がバテちゃったから……」

思わず弁解じみたことを言った俺に、丸万は、

「砂馬さんが見舞いに来るところなんだが、ずっと満州なもんで……」

「砂馬親分は上海が本拠じゃないのか」

ちょっと皮肉をこめて「砂馬親分」と言った。丸万は窮屈そうなワイシャツの首に指を入れて、

「いろいろむずかしいことがあってね」

「砂馬親分は豪勢だそうだな」

「砂馬さんはしょっちゅう四郎さんのことを言ってる。どうして砂馬さんのところへ顔を出さないんだ」

顔を出せ……? ヘネルな(馬鹿にするな)と俺はどなりたいところだったが、

「むずかしいことがあるって、なんだい」

「軍にはむずかしい派閥があって――四郎さんのほうがこれは詳しいだろうが、それで仕事もなかなかむずかしいんだ」

俺を軍と親しいと見ている丸万は、それにしては俺がなさけない部屋にいるといった眼で、

「四郎さんは国体原理派のほうだな。あんまり金には縁のない青年将校のほうか。俺たちは統制派のほうなんだ」

いかにも砂馬の「一の子分」らしいことを言う丸万のほうが、俺よりは軍の内幕に詳しいようだ。