Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
「そりゃ、取るだろう」
つい言って、俺は憮然とした丸万を見て、これはまずかったと、
「そんなに取るのか」
「相当、軍資金になってるだろうな。現地の軍費のたしに随分なってるはずだ」
「ふーん」
俺がまた感心すると丸万が、
「しかし黒土で支那を搦め手から滅ぼそうってのは、タチが悪い」
「黒土……?」
「支那では阿片のことを黒土と言ってる。日本読みにしてクロツチと俺たちは言ってるんだ」
「そのクロツチで砂馬の大将も稼いでるとなれば、タチが悪いのは軍だけじゃない」
「ま、そうだが、なんせ、すごいヨロク(儲け)だからな」
丸万は笑って、これだけはもと通りの黒い歯茎を見せながら、
「それに、そんなことで支那は滅ぼされはしないしね」
「ずっと負けてばかりいるようだが」
「退却戦法だ。一時はたとえ負けても、あの広い支那が、まるまる日本に負けるわけはない」
「黒土で儲けたって、かまわねえか」
俺は笑って、
「儲かるんで矢萩もねらっているわけか」
「矢萩のことで、四郎さんの耳に入れときたいことがある。ちょっと言いにくい話だが」
丸万は真顔で言った。
「なんだい」
「賭館の縄張り争いで矢萩は猪沢市太郎を殺した」