Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
「このごろ、そう言えば、あなたの詩をさっぱり見かけない」
「そう言えば?」
「詩をやめたんですね」
「病気がなおったせいかな」
「心の病い……?」
と風巻は言った。しゃら臭えことを言やがると俺は思ったが、
「そうだな。詩なんてものは、心の傷のカサブタみたいなものかな。それとも、リン的(淋病)のあのウミみてえなものかな?」
俺は――俺もこれをほんきで言っていたのである。
海のような河口から船はやがて支流の黄浦江にはいって行った。川はばが狭くなり、河岸がだんだんと間近に見えてきた。そのころになると、乗客がみんな甲板に出て、ムイサイ(寒い)川風にさらされながら、
「皇軍が敵前上陸したのは、あの辺かな」
と対岸を指さす人々の間に俺もまじっていた。
俺はシロモメン(川)の水がまるで泥の流れのように黄色く濁っているのに眼をひかれていた。豪雨でもあって濁っているのかと俺は思ったが、
「いつでも、こうですよ」
と上海へ帰る日本人が言った。支那の川は、よほど奥地へ行かないことには、こういう色をしているのだと、九州訛りで言ったその男は、事変勃発のとき日本へ避難させた妻子のところへ行って、自分だけまた戻るのだと俺に言った。