Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おさん

おさん

山本 周五郎

Lesen Sie おさん von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.128 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

と呼びかけられた。しかも乃里屋に泊っていたことを知っているとすれば、自分のあとを跟けて来たのかもしれない。哀れっぽくもちかければすぐに銭を呉れる、うまい鴨だとあまくみたか。たぶんうしろに親が付いているのだろう、と参太は推察した。

「お待ち遠さま」と云いながら、おふさが小走りにやって来た、「待たせちゃって済みません、忘れ物をして戻ったもんだから」

「おひろいでいいのか」

「歩くのは久しぶりよ、ああいい気持」と云っておふさは子供のほうを見た、「――おや、おまえはまたこんなところでうろうろしているのかい」

子供はあとじさりをした。

「その子を知ってるのか」

「ついて来ちゃだめ、あっちへおいで」おふさは子供にそう云って歩きだした、「三年くらいまえからああやって、この街道をうろついては人にねだってるのよ、初めは乞食の子かと思ったんだけれど、そうでもないらしいのね、家や親がないのか、自分でとびだしちゃったのかわからないけれど、ああやってうろうろしているのが好きらしいわ」

「まだ八つか九つくらいだろう」

「三年まえにそのくらいだったから、もう十一か二になるんでしょ、子守りか走り使いにでも雇ってやろうという者があっても決して寄りつかないの、あんな性分に生れついても困るわね」