Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おしどり
おしどり
Lesen Sie おしどり von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.557 Zeichen · 12 Bildschirme
」と老人はいった。若者は約束をした。老人のすがたは若者の眼の前で、だんだんうすれはじめ、一抹のもやのようなものとなり、やがて肉眼にはみえないものになってしまった。若者はそのみごとな仙術にみとれてしばらく呆然とたたずんでいたが、やがて冠のひもをむすびなおすと、いそいそと帰っていった。夜になり月がのぼって、池の面が白くかぎろいはじめるころ、若者は恋人をともなって、芝草の上の露をふみながらふたたび泉のほとりにやってきた。昼間のおしどりはもはやどこかの岩かげに体をすりよせてねむっているらしく、水の面をかきみだすものは何もなく、ただ夜もやまぬふきあげの水が、のぼってちって露玉となり、静かに落ちてちりめんのようなさざなみを、しかも池の中央のあたりにだけただよわせていた。水ぎわではかじかが二三びきかたいまるい木の珠数玉をかちあわせるようななごやかなよい声でけろけろとないていた。若者はあたりをみまわしたがまだ老人の姿はみえなかった。そこで池のかたわらの一本の木犀のかげによって、夜露をよけながら老人を待つことにした。娘は手をさしのべて木犀の花をたおり、若者のうしろにまわって冠にさしてやり、自分の頭髪にもかざした。