Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おじょろうぐも

お女郎蜘蛛

宮本 百合子

Lesen Sie お女郎蜘蛛 (おじょろうぐも) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.913 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

細工ものの箱に役者の絵はがきに講談本のあるはずの室には、壁一っぱいに地獄の絵がはりつけてあり畳の上には古い虫ばんだ黄表紙だの美くしい新□ものが散らばってまっかにぬった箱の中には勝れた羽色をもった蝶が針にさされて入って居た。

そんな事も母親に何とはなしに涙ぐませるには十分な事だった。高等を卒ったっきりであとは店のものに気ままに教わって居たけれ共教える任にあたった若いものは娘のつめたい美くしさに自分の気の狂うのをおそれてなるたけはさけて居た。お龍は男が鉛筆をにぎって居る自分の横がおを見つめてポーッとかおを赤くしたり小さなため息をついたりして居るのを見ては、それが面白さに分るものをわざと間違えてかんしゃくを起したふりをして弱い男のオドオドしてただなさけなそうにうつむく様子を見ては満足のうす笑をして自分の部屋に入るのが常だった。

手あたり次第に小説をあさってよんで居たお龍は末喜を書いた小本を見つけた。さし絵にはまばゆいほど宝石をちりばめた冠をかぶって、しなやかな体を楼の欄にもたせてまっかな血を流して生と死との間にもがき苦しんで居る男をつめたく笑って見て居るところが書かれてあった。