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Japanische Klassiker mit Furigana

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おこしょうこたろう

お小姓児太郎

室生 犀星

Lesen Sie お小姓児太郎 (おこしょうこたろう) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.011 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

行燈のかげで、静かに微笑ってみせ、自分でわざと酒をついでやったりした。そういう情事になれている児太郎は、高ぴしゃに弥吉を眺め下ろしていた。「爪を剪ってくれい。」そう主人の命咐を酔った手つきで、白脛の投げ出されたときは、実際からだが震えるほど、ぞっと嬉しかった。「下手だの。お前のをお出し。」そういう主人を、弥吉は、あわてて手で遮った。

「勿体ない。」

「いや関わぬ。指を出せ。」

児太郎は、自分の白い手の上に、若者の指を乗せ、ポツンと深爪を剪っていたが、みな肉が切られ、あかいものが滲んで出た。弥吉は指頭をしたたる血と、それの痛みを怺えるため顔を歪めていた。

児太郎は、弥吉の苦しそうにしている様子をみると、惨酷にちかい微笑をうかべながら、しまいに興もなさそうに手をつき放した。――主君利治公の御寝所で、ある晩、肩揉みをしていて、爪があたっていけない、どの爪だと、これも血のにじむ深爪を切られたことを思い出したのである。その自分が弥吉をこうするのは、べつに悪いことだとは思わなかった。

「弥吉、肩をあたれ。」

「はい。」

弥吉は、日頃思っている主人の、優肩に手を触れる快適さに身をふるわせ、肩につかまったが、爪さきが痛んで、指頭が立たなかった、「どうした、利かないじゃないか。