Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おとうさん

お父さん

林 芙美子

Lesen Sie お父さん (おとうさん) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.548 Zeichen · 76 Bildschirme

Aozora Bunko

17

わが庭に、鶏ついばめり、鶏小舎は

ひろびろとしてさびしそうなり

かわきたる洗たくものをとりいれて

夕やけ雲に口笛吹きぬ

八丈島たいふうありとラジオいう

雨戸をしめて雨の音きく

靴の底陽に干しながらオルガンの

ラジオをきけば平和なりけり

長い夏休みのあいだぢゅう、僕たちはおかあさんの看病をしました。おかあさんはぐんぐんよくなりました。僕は時時、和歌をつくりました。和歌なんてむずかしいと思っていたけれど、案外面白いので、おとうさんにみてもらいます。

おとうさんも僕と同じように、時時歌をつくります。おとうさんのはむずかしくてよく判りませんけれど、おとうさんは気持のいい声をたててろうどくします。

吾子の声にぎやかにくるこの朝の

眼ざめのかなしみふき消す如く

おとうさんの歌です。

静子も歌をつくりたいといいますけれど、静子はなかなか出来ないとこぼしています。

はじめ、宇都宮からもらった鶏は二羽いたのですけれど、野良犬にとられてしまって、たった一羽になり、大きくつくった鶏小舎が、何だか広くなってさびしそうだったのを和歌にしました。

おとうさんは、和歌というものは、きどっては駄目だとおっしゃいました。