Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おとうさん

お父さん

林 芙美子

Lesen Sie お父さん (おとうさん) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.548 Zeichen · 76 Bildschirme

Aozora Bunko

今日は日曜でおとうさんはおうちです。

「金井君、これはどうだ、おじさんの歌はつまらないかな‥‥」

おとうさんが和歌をつくって持って来ました。

水の上の水の光にらんちゅうは

きわまり燃ゆる四囲ながめぬ

「これはねえ、空襲最中のらんちゅうだよ」

そういって、おとうさんはおかしそうに笑いました。

家が焼けている最中に、らんちゅうなんか持って逃げる人はないでしょう。水がにえて来る時のらんちゅうはどんなに悲しかったでしょう。僕はそのころ、おかあさんとふるえながら、壕の中で、一面火の海になったのを見ていましたけれども、らんちゅうのことなんか気がつきませんでした。

金井君の家では、空地を借りて七百本もいもを植えたので、もうじき、いもほりをするから持って来てあげようといってくれます。人にとられるといけないから早ぼりをするのだといっていました。

19

夜、要さんが遊びに来ました。要さんのおうちも暮しが大変だから、学校をやめてしまって、印刷所につとめに行くのだと相談に来たのだそうです。

要さんの姉さんも、いまはタイピストになって丸の内の会社につとめています、いまは、どこのおうちも大変な時なのだと思います。