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Japanische Klassiker mit Furigana

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くちこ

くちこ

北大路 魯山人

Lesen Sie くちこ von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.008 Zeichen · 3 Bildschirme

Aozora Bunko

このごろ、酒に適する、また、美食家の気に入る美味いものの第一品はくちこの生であろう。この生のくちこは、東京には売っていない。自分たちは加州金沢から取り寄せるのである。この風味はちょっと他に類がない。このわたに似て、水分の多い目方の重いものであるが、卸値百匁十五円から二十円ぐらいの最高価格の美食のひとつである。

多く能登に産する。表日本の方では四月ごろ見受けるが、裏日本のように美味くない。けだし寒海鼠の胎卵である。これの乾燥したものは、東京に来ている。このこと言う。これも卸値百匁十八円ぐらいだから、もとより美味い。しかし、生の美味さにはかなわない。生は桜色と朱鷺色との中間ぐらいの淡紅色で、この種のものの中で一番感じがよい。乾燥したものはいくぶん代赭色に近い。生の香りは、妙にフランスの美人を連想するような、一種肉感的なところがあって、温かい香りが鼻をつく。とにかく、下戸も上戸も、その美味さには必ず驚歎する。そうして初めて口に上す者は、そのなんであるかを当てる者は少ない。

金沢を中心にして北陸では、一流どころの旗亭なら、大抵は突出しに出してくれる。しかし、五匁ほどだ。