Japanische Klassiker mit Furigana
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それから
それから
Lesen Sie それから von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.794 Zeichen · 347 Bildschirme
「奥様が車を持って、迎に行って来いって、御仰いました」
「何か急用でも出来たのかい」
勝は固より何事も知らなかった。
「御出になれば分るからって――」と簡潔に答えて、言葉の尻を結ばなかった。
代助は奥へ這入った。婆さんを呼んで着物を出させようと思ったが、腹の痛むものを使うのが厭なので、自分で箪笥の抽出を掻き回して、急いで身支度をして、勝の車に乗って出た。
その日は風が強く吹いた。勝は苦しそうに、前の方に曲んで馳けた。乗っていた代助は、二重の頭がぐるぐる回転するほど、風に吹かれた。けれども、音も響もない車輪が美くしく動いて、意識に乏しい自分を、半睡の状態で宙に運んで行く有様が愉快であった。青山の家へ着く時分には、起きた頃とは違って、気色が余程晴々して来た。
何か事が起ったのかと思って、上り掛けに、書生部屋を覗いてみたら、直木と誠太郎がたった二人で、白砂糖を振り掛けた苺を食っていた。
「やあ、御馳走だな」と云うと、直木は、すぐ居ずまいを直して、挨拶をした。誠太郎は唇の縁を濡らしたまま、突然、
「叔父さん、奥さんは何時貰うんですか」と聞いた。直木はにやにやしている。