Japanische Klassiker mit Furigana
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それから
それから
Lesen Sie それから von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.794 Zeichen · 347 Bildschirme
自分では、夜半まで歩きつづけても疲れる事はなかろうと思った。とかくするうち、又自分の家の前へ出た。中は静かであった。門野と婆さんは茶の間で世間話をしていたらしい。
「大変遅うがしたな。明日は何時の汽車で御立ちですか」と玄関へ上るや否や問を掛けた。代助は、微笑しながら、
「明日も御已めだ」と答えて、自分の室へ這入った。そこには床がもう敷いてあった。代助は先刻栓を抜いた香水を取って、括枕の上に一滴垂らした。それでは何だか物足りなかった。壜を持ったまま、立って室の四隅へ行って、そこに一二滴ずつ振りかけた。斯様に打ち興じた後、白地の浴衣に着換えて、新らしい小掻巻の下に安かな手足を横たえた。そうして、薔薇の香のする眠に就いた。
眼が覚めた時は、高い日が縁に黄金色の震動を射込んでいた。枕元には新聞が二枚揃えてあった。代助は、門野が何時、雨戸を引いて、何時新聞を持って来たか、まるで知らなかった。代助は長い伸を一つして起き上った。風呂場で身体を拭いていると、門野が少し狼狽えた容子で遣って来て、
「青山から御兄いさんが御見えになりました」と云った。代助は今直行く旨を答えて、奇麗に身体を拭き取った。