Japanische Klassiker mit Furigana
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それから
それから
Lesen Sie それから von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.794 Zeichen · 347 Bildschirme
向後父の怒に触れて、万一金銭上の関係が絶えるとすれば、彼は厭でも金剛石を放り出して、馬鈴薯に噛り付かなければならない。そうしてその償には自然の愛が残るだけである。その愛の対象は他人の細君であった。
彼は寐ながら、何時までも考えた。けれども、彼の頭は何時までも何処へも到着する事が出来なかった。彼は自分の寿命を極める権利を持たぬ如く、自分の未来をも極め得なかった。同時に、自分の寿命に、大抵の見当を付け得る如く、自分の未来にも多少の影を認めた。そうして、徒らにその影を捕捉しようと企てた。
その時代助の脳の活動は、夕闇を驚ろかす蝙蝠の様な幻像をちらりちらりと産み出すに過ぎなかった。その羽搏の光を追い掛けて寐ているうちに、頭が床から浮き上がって、ふわふわする様に思われて来た。そうして、何時の間にか軽い眠に陥った。
すると突然誰か耳の傍で半鐘を打った。代助は火事と云う意識さえまだ起らない先に眼を醒ました。けれども跳ね起きもせずに寐ていた。彼の夢にこんな音の出るのは殆んど普通であった。ある時はそれが正気に返った後までも響いていた。五六日前彼は、彼の家の大いに揺れる自覚と共に眠を破った。