Japanische Klassiker mit Furigana
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それから
それから
Lesen Sie それから von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.794 Zeichen · 347 Bildschirme
兄にはその辺の消息がよく解っている。だからこの手で遣り損ないでもしようものなら、生涯自分の価値を落す事になる。と気が付いていた。
代助は飲むに従って、段々金を遠ざかって来た。ただ互が差し向いであるが為めに、旨く飲めたと云う自覚を、互に持ち得る様な話をした。が茶漬を食う段になって、思い出した様に、金は借りなくっても好いから、平岡を何処か使って遣ってくれないかと頼んだ。
「いや、そう云う人間は御免蒙る。のみならずこの不景気じゃ仕様がない」と云って誠吾はさくさく飯を掻き込んでいた。
明日眼が覚めた時、代助は床の中でまず第一番にこう考えた。
「兄を動かすのは、同じ仲間の実業家でなくっちゃ駄目だ。単に兄弟の好だけではどうする事も出来ない」
こう考えた様なものの、別に兄を不人情と思う気は起らなかった。寧ろその方が当然であると悟った。この兄が自分の放蕩費を苦情も云わずに弁償してくれた事があるんだから可笑しい。そんなら自分が今ここで平岡の為に判を押して、連借でもしたら、どうするだろう。やっぱりあの時の様に奇麗に片付けてくれるだろうか。兄は其所まで考えていて、断わったんだろうか。