Japanische Klassiker mit Furigana
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あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集 (あじさい) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.277 Zeichen · 84 Bildschirme
多分うそではありますまい。その時計店というのがかなり古い店らしく、主人の話では彼の父が横浜で店を開いたのだそうです。時計屋などという新奇な――当時としてはさぞハイカラな店をやっただけに、その人というのがやはり好事家だったそうです。そんなことを話しながら四十位のそこの主人は、ふみ台などを持ち出して壁の上の高いところにあるその時計を、
「これもおやじの物好きの形身でさ、いつ買い入れたものだか、あたしが覚えてからでも二十五年や三十年にはなりますよ。……え、いくらででも買ってやって下さい。……さようですな八円ぐらいではいかがでしょう。」
わたしは時計が気に入っているところへ、時計屋の言葉も気に入ったし、値段も気に入った。喜んで買う約束をして、しかしそれにしたって機械は大丈夫だろうなと念を押すと、売手は確実にうなずいて、
「大丈夫ですとも。何しろ、しかも、あまり長い事ほっ放してありますから、一度掃除をして油をさしてから――さよう、明後日御とどけ致しましょう。ただね、予め御断りして置きますが、こいつは風の当るような場所へかけると駄目ですよ。振子がこのとおり外へぶらさがって出て居るのですからね。