Japanische Klassiker mit Furigana
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『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】
佐藤 春夫
Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】 (『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.182 Zeichen · 48 Bildschirme
車はすぐそこの空地に置いて参りましたが」
「なるほどなるほど」相手のその話もわたくしには実のところまだ十分には腑に落ちないのだが、これ以上わたくしが深く追及するすじ合いでもないと思って、うなずいて置いて、
「それはお困りですな。わたくしの家は厩に人間が住んでいるようなていたらくで、ご覧のようにとても馬のような大荷物を預かるような場所もありませんが、そんなやっかいな荷物を預れと持ち込まれたら、さぞ迷惑な事でしょうね」
わたくしはそんな話にはもう取合わないという調子でこう云っていたのが彼に通じたものか相手は、
「それはどうもおいそがしいところを飛んだお邪魔さまで」とこの親切な秣屋は下駄箱の上から脱ぎ捨ててあった古いハンティングを取り上げると、雨着代りに着込んでいた色褪せた筒袖のモジリ外套の前をかき合せ掻き合せて軒に踏み出し、小降りながらまだ降りつづく空をちらと見上げて、
「これや今夜もまだ上りませんな。ご免」
と小腰をかがめてから帽子を引っかぶってわたくしの家のあたりを見まわしながら帰って行った。
やっぱりちとへんなうろんな話だなと思いはじめたわたくしは、曲り角で消えて行った彼のあとを追っかけるともなく飛び出して、小雨のなかに秣屋の消えた方をのぞき込んでみると、果して秣だか何かは知らず、ともかくもこもをかぶせた小さな