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Japanische Klassiker mit Furigana

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『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ

たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】

佐藤 春夫

Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】 (『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.182 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

人々が介抱すると、左平次は気違の如く、

『怖ろしい、もういい加減宥してくれ』

とわめき立てるばかりです。漸くの事で気が鎮ったらしい左平次の語るところは、次の如くである。

彼が湯に這入っていると、同じく一人の浴客があった。

今着いたばかりとも思える見も知らぬ坊主、片腕は傷を捲いたらしく繃帯してあった。

左平次は湯治客同志の挨拶として、向うが問うままに、自分の病気の容態を言い、礼儀として先方の事を訊くと、坊主は答えた。

『鉄砲傷ですわい――鉄砲左平次という者に打たれましたわい』

言いも終らぬうちに、坊主は朦々たる湯気の中に雲つくばかりの大坊主になり、心地好気に笑い続けたまま……左平次は気が遠くなったのでした。

一たん癒りかかっていた左平次は、この夜から日増しに悪くなり、間もなく死んで了ったと言う事です。

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これは、僕の創作ではない。僕の地方の温泉のある所で、民話のように伝っているものの梗概である。

淋しい山の湯で、夜おそくなった時などに思い出すと、少しは怪談らしい値打も出て来るかと思う。一種の詩美は認めてもよかろう。

あんまりロマンチックな話をしたから、此度は反対に頗るリアリスチックな話をしましょう。