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Japanische Klassiker mit Furigana

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たより

たより

宮本 百合子

Lesen Sie たより von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.905 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

目を瞑るとあの細い声が再び私の耳にすべり込んで来る様でございます。

そのおだやかな柔く心をなでて行く様な思い出は、私を、どうしても貴方への最初のお便りを書かねばならない様に致しました。どうぞおよみ下さいませ。

まあ今晩のよい雨でございます事。

私は、自分の四方を本箱とおもちゃでかこまれた書斎の中で心を浄めて行く様な雨だれの音をききながらそう思って居ります。

荒れた土の肌もさぞ美くしく御化粧されて行く事でござんしょう。

あれまあ、闇の中で木の葉の露が目の痛いほど輝いて居りますよ、何か物を申す様ですけれど私にはきこえませんの。

雀の巣は濡らされませんでしたろうかねえ。

毎日毎日重いのしかかる様な日がつづきましたので、昨日と今日の雨がどんなに私の心をすがすがしくさせてくれる事でございましょう。

金の櫛をさして眼の細い土人形の姫だの、虫封じのお守りの小さい首人形をながめながら、しっとりと重い髪の毛のひだを撫でて居りますと、包まれた様に柔かな心の底から、何がなし光がさし出て来る様な気が致します。

この上なくしずまった心で貴方様を思って居るのでございますよ。