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Japanische Klassiker mit Furigana

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たより

たより

宮本 百合子

Lesen Sie たより von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.905 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

けれどもまあ考えて見ますとふしぎではござんせんか、毎日毎日お目にかかって居る時は、別にこれぞと云って、御なつかしくもお話ししたいとも思いませんでしたのにねえ。

下らない事を云い合って、白い眼をして居る群からはなれて、悲しみの多い物しずかな目を御送りなさる貴方様がおしたわしいのでございますよ。

悲しみと申しますものは尊いものでございます。

目に堪えられぬ涙の熱さを知らぬ人は、神様が――私は神様のいらっしゃるのを思いませんですけれど、はてしない宇宙に満ちた偉きな力を神様と申さずにほかによい言葉がございますでしょうかしら――人の心をやわらげるためにおそなえなすった得がたい宝を見忘れた人でございますまいか。

悲しみは、世の中のすべての人をいつくしむ心をお与え下さいます。

幾重にも幾重にも被われた真の物の尊さを教えて下さいます。

どなたの御目にも私は、豆蔵みたいにうつって居る事でござんしょうねえ。

おもてはそれでも決してかまいません。

けれどもはてしない悲しみになきぬれて居る霊があるのをお忘れ下さいますな。

こう申しながらも、私の眼にはしみじみと涙が湧いて居ります。