Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちいさこべ
ちいさこべ
山本 周五郎
Lesen Sie ちいさこべ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.480 Zeichen · 67 Bildschirme
五
「そうはいかねえ」と伊吉が云った、「おまえさんの性分はわかってるし、なにかこうとめどを押えているんだろうが、世間には世間のしきたりがある、おまえさんが構うなと云ったって、そうかと引込んでいられるものじゃあねえ、世間に対する義理だけでもそれじゃあ済まねえ」
そして大留と自分たちとの関係、棟梁なかまのつきあい、などについて説明しようとした。だが茂次はまた、「そういうことは聞きたくない」と遮った。
「私のほうで頼むんだから、おじさんやあべ川町が義理を苦にすることはないでしょう」と茂次は云った、「世間でもし蔭口なんかきく者があったらはっきりそう云ってやって下さい、私は自分がいい子になろうなんてちっとも思ってやしないんだから」
兼六が伊吉を抑えた。伊吉の顔色が変ったのである。助二郎と大六もおどろいて、茂次をたしなめにかかったが、逆に茂次は二人に向って云った。
「いまおれの云ったことを覚えててくれ、おれたちは誰にも頼らねえ、この腕一本で大留を立て直すんだ、おれたちだけでだ、わかったか」
五
大六と助二郎は途方にくれたように、黙って頭を垂れた。
「そういうことならひきさがろう」