Japanische Klassiker mit Furigana
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ちいさこべ
ちいさこべ
山本 周五郎
Lesen Sie ちいさこべ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.480 Zeichen · 67 Bildschirme
見ていてもらいたいんだ、――こんなことは世間にはとおらないだろう、仏をそまつにすると云われるだろうが、誰になんと云われてもいい、おれはそのときがくるまで、決して二人を仏あつかいにはしないつもりだ」
おりつはうっと喉を詰らせ、けんめいに泣くのをこらえながら、「ごめんなさい」とよろめくように云った。
「よけえなことを云ってごめんなさい、あたしなんにも知らなかったもんだから」
「わかればいいんだ」と茂次が遮った、「しかしこれだけは決して饒舌らねえでくれ」
「ええ」とおりつは頷き、前掛で眼を拭きながら云った、「――でも、そういうわけだったら、なにもお住持さんのわるくちを云うことはなかったじゃありませんか」
「口の悪いのは生れつきだ」と云って茂次はおりつを見た、「殴ったりしてわるかった、勘弁してくれ」
おりつは泣いて腫れぼったくなった眼で彼に頬笑み、それから云った、「――これで二度めよ」
十二月にはいると、まず明神下の酒問屋の普請があがり、ついで岩槻町のほうも仕上った。そのまえに魚万の再普請の話が伝わったためだろう、普請の申込が次から次と来たが、茂次は七軒長屋五つ棟と、小島町の紙問屋と二つの普請だけ請負った。