Japanische Klassiker mit Furigana
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ちいさこべ
ちいさこべ
山本 周五郎
Lesen Sie ちいさこべ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.480 Zeichen · 67 Bildschirme
と云っておりつはまた啜り泣いた、「それをただいやらしいと思うばかりで、今日までそうと気がつかなかったのはなさけないわ、こんなことで子供たちが育てられる道理がないわ」
「ちょっと待て」と茂次が云った、「まあおれの云うことを聞け」
彼は立ちあがり、おりつの前へ来て坐った。「そう自分ばかり責めるな、おまえはまだ娘なんだ、みだらな気持があるなしにかかわらず、些細なことにも自分の身をまもろうとするのは、娘として当然なことじゃないか、当然なことだろうとおれは思う」と茂次は云った、「だから、こんなときに云うのはおかしいが、おまえが亭主を持ち、子の親になれば、そういう思いちがいも、しなくなり、子供たちともうまくゆくんじゃあないだろうか」
おりつは茂次を見た。
「こんなときに云いだすのはおかしいが」と茂次は同じことをくり返し、ひどくぶきように云った、「いや、こういう話が出たから云うんだ、おまえはどう思ってるかわからねえが、おれは、おまえにこのうちをやっていってもらいたいんだ」
おりつは「あ」というふうに口をあけた。声は出さなかったが、口をあけて、あっけにとられたように茂次を見た。