Japanische Klassiker mit Furigana
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つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Lesen Sie つぼみ von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.918 Zeichen · 44 Bildschirme
と伯父さんに口伝して私は又家に戻って帰ったら翌日の晩、
「先達ってはどうも……あした朝九時で立ちます。前の家で借りてるんですから……さようなら」
これだけを、あの人は細い金属を通して私に云ったきりで行ってしまった。
私とあの人、――もとより知らない人になる事はどんなに長い間時がたってもあろう筈がない。「二人の中どっちが死んだ時でものこった方が死んだ人にお化粧のしっこをしましょう、――私とあの人はこんな事まで云った。私は、あの人がどんな事をしても信じて居る事は出来る、私はあの人を信じる事が出来る――」斯うささやく心のどこかにほんのちょっぴり今までにない不安さがある。
私はあの人を女優とは云わせたくなく、又自分からも云いたくない。
女優――斯う云う言葉の中に何とはなしに私にはいやにひびく音がまじって居る。
女役者と云う方が私はすきに思われる。
女役者のあの人と私、そう思うと何故とはなしに涙がこぼれる。
あの人は今大阪に居る。私は東京に居る。
あの人は女役者で、私は――
私とあの人――はなれられないものだと云う事だけを私はハッキリ知って居る。
夜の町