Japanische Klassiker mit Furigana
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とかげ
とかげ
室生 犀星
Lesen Sie とかげ von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.977 Zeichen · 7 Bildschirme
きれた尾がきりきり舞いながらこまかい砂を動かして、うずを巻いて、これは何という明るい眩しい日になったろうと思うた。石垣の穴に尾を奪られたとかげのかげが消え、紫色にかげった石の穴が冷やりとして見えた。切られた尾はこれも一疋の虫のようにきりきり舞いしているのが、だんだん力が弱くなりばたりと砂の上に舞わずに落ちてしまった。そして思い出したように少しずつ動いた。二分くらい経ったろうか、こんどは少しも動かなくなった。わたしはまた棒切れをその尾に当てた。すると棒切れがさわると始めて吃驚したように又蠢めいた。ふしぎな生きものだと思った。それから五分の後にもわたしは棒切れをさわらせたが、もう動くことがなかった。そこには一杯の蟻が行列をつくって、不意の祝祭のうたげのうたをうたっていた。
わたしは棒切れを捨てて、日かげで或る考えに思いついた。それはわたしの国ではとかげというものの尾が切れやすいのは、敵に遭うたときにその尾だけを残して逃げるように出来ていることや、一たん斬られた尾はきっと又継いで行って了うということ、それゆえ尾は小さい節のようなものから組立てられていることなどをわたしは年寄りから聞いていた。