Japanische Klassiker mit Furigana
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とかげ
とかげ
室生 犀星
Lesen Sie とかげ von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.977 Zeichen · 7 Bildschirme
だから子供であったわたしは人気のないときに、きっととかげが自分で自分の尾をこっそり継いでゆくことを、何よりも固く信じていた。それがどういうふうに継ぐのだかは知らなかった。
「とかげに指を差すな。さしたら指がくさってしまう」
子供のときは唯そう聞いた。が、わたしは今までに幾度か紫色をしているとかげに指を向けて差したが、腐りはしなかった。ただ、わたしの知ったことは、とかげの尾が一ぺん切られたものが、もう一度尾をつぎに来るということも嘘であったことだった。なぜかと言えば最うとかげの尾は蟻に引かれながら白い砂地の上に、すこしずつ動いて行くではないか?――それにも関わらず尾のない一疋のとかげが、砂地の白い遠方にかがんでその尾の冷たくなったのを眺めている。わたしの疲れた暑い頭がいまその姿を見つけたのである。
「張りものが済んだらお茶を一杯もらいたいものだ。」
「ここへでございますか?」
「ここへ。」
わたしは途方もない詰らないことを言い出すくせがあるので、下婢はふしぎな思いもしないで、茶の間へ茶を淹れに行った。相変らず暑いうえに、乾いた砂の上に七八疋くらいとかげが歩いている。