Japanische Klassiker mit Furigana
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ととやぜんたん
とと屋禅譚
岡本 かの子
Lesen Sie とと屋禅譚 (ととやぜんたん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.874 Zeichen · 12 Bildschirme
さあ、この辺で切り上げましょうよ」
――おまえみたいな素人にお客が来るか来ねえか判るもんか。見ろ、まだ九時過ぎだ。あと一稼ぎしなきゃあ、今日のおまんまに有り付けねえ」
国太郎はそう言ったが、自分の冗談が幇間の気持ちの上にどんなに響くかちょっと顔を後へ向けて魯八の顔を見る。ちゃんと知ってて魯八は如何にも大ぎょうな声を張り上げる。
――今日のおまんまに有り付けねえとはよく言ったね。お大名はエテ、そういうせりふを吐いて見たいものさ。だが、お大名と言やあ、あっしあ今朝から見て居て呆れたよ。こちらの御商売は全くお大名だよ。来る客も、来る客も、まるで乞食さ。無代ででも貰って行くような調子で、若旦那済まねえがこれを少し分けておくんなさいと言うと、やるから持ってけ――だが負からねえぞ。――これじゃあ、どっちが売手だか買手だか判りませんぜ」
国太郎は河岸のふうであると共に、歿くなった父親の態度を見よう見真似で子供の時からやって居る自分の商い振りが、どんなに大ふうなものか全然意識しないではなかったが、いま他人の感じに写った印象が、どのくらい権高なものかを知ると、幸福のような痛快のような気がして少し興奮して言った。