Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
まで遠退いていったその炭車は、そこのレールの上に鶴嘴でも転っていてかチャリーンと鋭い音を立ててひときわ激しく揺れはじめ、揺れはじめたかと思うとアッという間に安全燈は釘を外れてレールの上へ転落して行った。
滝口坑で坑夫達に配給していた安全燈は、どこの炭坑とも同じようにやはりウォルフ安全燈であった。ウォルフ安全燈というのは、みだりに裸火にされる危険を避けるために、竪坑の入口の見張所の番人の持っている磁石に依らなければ、開閉することの出来ない装置になっていた。けれども、取扱いに注意を欠いて斜に置いたり、破損するようなことがあっては安全を期することは出来ない。
悪い時には仕方のないもので、お品の安全燈は炭車の尻にブラ下げてあり、そして空の炭車はそのまま走っていたのであるから炭車の尻には複雑な気流が起り、いままで地面に沈積していた微細な可燃性の炭塵は、当然烈しく捲き立てられていたのであった。全くそれはふとしたことであったがその瞬間に凡ての悪い条件は整ってしまい、いままで二人の幸福の象徴でもあった安全燈は、ここで突然予期しない大事を惹き起してしまったのだ。
瞬間、女は眼の前で百のマグネシウムが焚かれたと思った。