Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
もっとも私は、白鮫号が決してローリングしなかったとは思いません。現在残っている泡の線を壊さぬ程度の横揺はあったでしょう。しかし、比較的波の多いこちらの海へ漂流して来る間に、ローリングをして尚且つ泡の線が殆んど全体に亘って無事でいられたのは、その吹き溜りで白鮫号が、すっかり空になり、急に軽くなって、吃水が浅くなったからです」
「……ふん、理窟ですな」
黒塚氏は口惜しそうに呟いた。
「では、先程のお願いを、お聞入れ願いたいと思います」
そこでとうとう、二人は秤に懸ってしまった。
先ず黒塚氏が六六・一〇〇瓩。続いて洋吉氏が四四・五八〇瓩。合計一一〇・六八〇瓩。
「義兄さんの体重も、お知りになる必要があるんでしょう?」
洋吉氏が云った。
「深谷氏のですか? ええ、是非ひとつ」
「恰度いいですよ。姉の『家庭日記』に、一月毎の記録がある筈ですから」
そう云って洋吉氏は、主館へ向って大声で女中に命じた。
間もなく上品な装幀の日記帳が届けられた。洋吉氏は早速頁を捲くる。
「ええと、これは先月……これこれ、恰度三日前のが記入してあります」
「ははあ、五三・三四〇瓩ですね……あ、この三八・二二〇瓩と云うのは? ああ奥さんのですな。